アニメと実写の混合SF「コングレンス未来学会議」

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コングレンス未来学会議/2013年

アリ・ファルマン監督

 

 

未来のハリウッドで作られる映画を題材にしたSF映画です。

表紙とあらすじとSFという先入観からかなり現実的なSF映画を期待して見始めたら、ファンタジーテイストのアニメ作品でした!

 

 

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 あらすじ

 

主人公のロビン・ライトさんはハリウッド女優です。

若い頃「フォレスト・ガンプ」のヒロインを演じてから注目を集めましたが、それ以降は自分が出たくない映画だと出演を断ったりして段々と人気がなくなり、もう40代になってしまいました。

 

 そこで映画会社の人が来て

「君は間違った判断でいくつもチャンスをふいにしてきた。これが最後のオファーになるだろう」

と言って、ある話を持ちかけます。

それは「彼女のデータを提供して、今後20年そのスキャンしたデータを使ったCGモデルで映画を作る」という契約でした。

これなら今まで出演したくなかったSFやアクション映画にも出れて、本人は出演料だけ貰える。もうキアヌ・リーブスもサインしたとの事でした。

 

彼女は戦争系やエログロ以外ならという契約でサインします。

 

で、次のシーンでいきなり

 

 

 

  〜20年後〜

 

 

 

 

契約が切れたので会議が始まります。

そっから、なぜがいきなりアニメの世界に行ってしまいますw

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カラフルでサイケなアニメ世界!

 

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なんかこの未来学会議に出席するにはアニメの絵柄じゃないと立ち入り禁止らしいです。

しかも昔のアメリカのアニメの絵柄!

 

観てた僕「…?!?」

 

 

 

導入は現実味のあるSFで面白かったんですが、こっからが別の感じで面白いです。ぜひ見てみてください。

 

 

バーチャル世界の比喩だと解釈すればいいのか解りませんが、幻覚世界の表現としてアニメが用いられてて分かりやすくなってますが完全に内容はSFですね。

 

 

薬を吸引するとアニメ世界にトリップできて、未来の映画会社はその薬を世界中に売ってばら撒こうとしてます。

主人公はその薬としてデータ提供?をします。で、その薬を吸うと誰でも主人公になれます。

 

「他人の妄想の出演料」みたいな感じでしょうか?

マリリンモンロー とかマイケルジャクソンとかが跋扈する世界に…

 

こっからはもう無茶苦茶な感じでした。荒唐無稽なドラッグ中毒者の夢の中みたいな映像なんですけど、それがなんとも観てて心地いい感じで自分もその世界に入りたくなるような良い世界観です。

アニメなのに平面じゃなくちゃんとカメラワークが活きてて、ホテルの入り口で爆撃されるシーンとかは360°アニメの世界を見渡せて凄く没入感ありました。

絵柄はアニメ版スーパーマンのマックスフライシャーですね。

https://m.youtube.com/watch?v=pn2-CI_So0k

レストランの中のシーンとか独特の居心地の良さがあります。

この 

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ハッと、一瞬で現実に引き戻される感覚もめっちゃゾクっときました。

 

 

この映画は実は原作があって、それの現代版アレンジみたいな感じらしいです。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/泰平ヨンの未来学会議

原作は読んだこと無いんですが、映画だけでも分かりやすいと思います。

 

あと主人公がSFはどれも内容が薄っぺらいから出演したくないとdisって、それに対する「なんで駄目なんだ。SFもファンタジーみたいなもんじゃないか」と映画会社の人が反論するシーンがハリウッド風刺に満ちてて最高でした。 

 

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他にも役者やアニメ業界に多方面の風刺が入ってて爽快です。ハリウッドじゃこんなセリフづけづけと言えない。

 

映画の内容はファンタジー風のSFでしたけど、ほぼこの映画はロビン・ライトが自分の為に作らせた身内ネタ映画って感じでしたw

でも楽しかった。久々にDVDを買いたいと思える映画でした。多分何回見ても飽きないと思う。

 

オチはちょっと。見方によればマトリックスのバッドエンドみたいな感じで釈然としませんが、凄くいい雰囲気に包まれるので悪い気はしませんね。

 

人にオススメはしないけど個人的に好きな映画でした。