夢の中でバトル『ドリームスケープ』
今日見た映画はこれ
ドリームスケープ/1984年
監督: ジョセフ・ルーベン
原作者: デイビット・ラアリー
準新作のTSUTAYA発掘良品から。
他人の夢の中に入りこんで冒険する話といえばクリストファーノーラン監督のインセプションを思い浮かべますが、その元ネタのような映画です。
主人公は超能力者で、その能力を買われて夢の中に入る実験に参加させられます。
超能力というSFっぽくない要因で夢の中に入れるんですが、この能力は物を浮かせたりではなく、相手が持ってるカードの色を当てたりする能力です。その相手の思考を読み取るような特殊能力を使って寝てる人の脳波に波長を合わせる事で夢の中に入るという仕組みです。
機械に繋がれて思考をリンクさせるのがインセプションっぽいです。
でも後半からは主人公がその能力で、機械に繋がれなくても近くに居れば夢の中に入り込めるようになります。ここらへんの理由は特になし!
その能力を使って悪夢にうなされる人の夢の中に入って、悪夢の根源を倒したりするお話でした。
この主人公のキャラがいい味出してて、ダメ男のくせに自信満々でスカしたカッコいい系主人公ですw
超能力をまともな事に使わない!
例えばヒロインの夢の中に入ってイヤラシイ事とかしますw
夢の中なのでなんでもありです。
特にわけもなくいきなりハラハラするシーンを出せるので面白い映画ですよね。
夢に入ったら急にビルの上に居て落ちたり、グニャグニャの迷路の中をヘビ男から逃げたりするので飽きません。
後半からはサスペンスになり、夢の中で死ぬと現実世界でも心臓発作で死ぬ事を利用して大統領暗殺計画が始動。
主人公はその計画を拒否して逃亡しますが、もうひとりの夢の中に入れる能力者が大統領の夢の中へ。
主人公は大統領を守るため、夢の中での戦いへ飛び込みます。
この暗殺集団と主人公の現実世界での戦いがかなりかっこいいです。競馬場でのバイク戦闘シーンは見もの。
夢の中ではもう無茶苦茶です。
核戦争後の世界を走る電車の中でゾンビを連れたヘビ男に変身できる敵がライトセイバーみたいなヌンチャクを使って大統領を殺そうとしてます。
このシーンはもうちょっと無茶苦茶な方が良かったかも。
昔の映画だからしょうがないわけではなく、当時の視覚技術に頼らずとももっと効果的に無茶苦茶感を出せたはず。
まあ最後は敵を倒してハッピーエンドなのですが、僕はちょっと不満でした。
オチがもうちょっと捻りが欲しかった。
あの完全なハッピーな終わり方は肯定的な意見が多いですが、せっかく夢オチというどんでん返しが説得力を持ってお膳立てできる系の映画なのに、何も持ってこないのかよ!
バットエンドにならなくても、悪者視点で悪事が成功したと思いきや夢でしたみたいな、いい方へのどんでん返しもできたはずでしょう。
何も後味を残さずに作られてるのが不満でしょうがないです。あんな「?」ってなるようなぼんやりしたオチで許されると思ったのか。
そのせいでこの映画は単なる大味な大衆映画に成り下がってる印象がある。
インセプションが公開された当時、この映画の話が出てこなかった事からもうかがえます。
せっかくの良い設定を活かしきれてない残念な映画だと思いました。
部屋に張られてた謎の忍者ポスターが印象的でした。
次!